背筋を使う
先日、甲野先生の古武術講座に参加して、
１日では技そのものをしっかりと自分で使えるまではいかなかったけれど、
参考になる知識がたくさん散りばめられていたと思いました。
ひとつは、四つ足歩行をしていた進化の流れで人間は、
背筋を使うことが実はとても自然で、とても強いということでした。
パソコンやスマホを使うことに慣れた現代人は、猫背になりやすく
ほとんど上手に背筋を使えていないようです。
現代人は身体の内側、
動物でいうと腹の面を前にして生活しているので、
意識しないとどうしても
身体の内側の比較的弱い筋肉ばかりを使ってしまっているようです。
そうなると
いざ本当の力を発揮しようとしたとき、
身体の一部（パーツ）である腕の筋肉だけを使うような感じで
身体全体につながる大きな力を発揮できなくなります。
背筋を使いやすくする印のような手の形も、
ググっと手の甲をそらすような感じで
普段全く使わないような手の動きを利用して、
背面の筋肉につながり、最大限の力を引き出すような感じでした。
弓を射るときに弦を引きますが、
そんな感じで身体も背中につながる筋肉の
反りを利用するほうがうまく使えるように思いました。
歩行に至っては、一般的によい歩行は
かかとから着地して、足をつま先で蹴りだすというふうに教わったと思うのですが
甲野先生の古武術では、膝裏を少し緩めて足裏全体で地面に着地する
細かくいえば、足の小指側から着地して足指全体がしなるようにして
親指側を最後に着地させるようにするとよい というふうなのです。
甲野先生は、足の５本の指を魚のひれのようにひらひらと
動かせるようになると器用に使えるとおっしゃっていました。
甲野先生は、足の指を５本とも内側に折って一瞬立ち、
さっと正座の姿勢に移るという
美しい動作もご披露いただきました。
足の指を器用に使えている証拠ですが、
四つ足の動物たちは歩行するとき
たいてい指先から着地して歩いているので、
足の指先を起用に使えることは
身体を使う上でもっとも基本的なことかと思いました。
足の指を反る動きは、蹲踞（そんきょ）という
わたしたちが整体をするときによく使う座り方に用いられています。
蹲踞の姿勢だと、下腹の丹田の力を使うことができるので
実（じつ）の姿勢を保つことができます。
最近は、少し背筋を意識した生活を心がけるようになりました。
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